安全な米の生産と販売を行う志村屋米穀店の志村成則さんは、小田原郊外の田や畑の畦(あぜ)で「つくし(つくしんぼ・つくつくし)」が見られ、顔を出した新鮮なものを採取しながら「春がそこまで来ている」と話す。
春の季語「土筆(つくし)」。スギナ(杉菜)の一部で胞子茎の名称。地下の茎でつながり、初春に胞子を散らす役割を持つ。ハウス栽培などはほとんどされていないため、春にだけに楽しめる季節感あふれる食材として利用されている。
志村さんは「天ぷら、つくだ煮、おひたし、胡麻(ごま)やからしのあえ物などがおいしい。春だけの味で、湯がいてアクを取るなどていねいに下ごしらえすると味が良くなる」と話す。この日はつくだ煮風に調理したとのこと。「炊きたての白いご飯に良くあう。間もなく春」と笑顔を見せる。