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箱根写真美術館でトシ・ワカバヤシ展 追悼と感謝を込めて開催

ブリキのおもちゃと、世界を旅して撮影してきた風景写真とを、手製のジオラマと組み合わせたトシ・ワカバヤシさんの作品「WAITING DOG」。(C)トシ・ワカバヤシWAITING DOG 1960's B.G. MY HOUSE ESCONDIDO S.D.

ブリキのおもちゃと、世界を旅して撮影してきた風景写真とを、手製のジオラマと組み合わせたトシ・ワカバヤシさんの作品「WAITING DOG」。(C)トシ・ワカバヤシWAITING DOG 1960's B.G. MY HOUSE ESCONDIDO S.D.

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 箱根写真美術館(箱根町強羅、TEL 0460-82-2717)で、広告写真家であり「ブリキのおもちゃ」の収集と撮影で知られるトシ・ワカバヤシさんの企画展「新収蔵作品トシ・ワカバヤシ コレクション Tin Toy Dioramas Photography」が行われている。

ブリキのおもちゃと、世界を旅して撮影してきた風景写真とを、手製のジオラマと組み合わせたトシ・ワカバヤシさんの作品「PORSCHE 911」

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 日本を代表する写真家の秋山庄太郎さんに従事して写真の基礎を学び、クリエイティブエージェンシーの日本デザインセンターに入社。ここで広告写真の撮影を担当した。1960年代にアメリカ・デトロイトに渡り、写真家のジョージ・カワモトさんが主宰するスタジオに入り、フォード社の車体撮影等の技術を習得して帰国。「トシ・フォトグラフィー」を設立して、幻の名車と呼ばれる「トヨタ2000GT」や「セリカ」などの撮影を担当して広告写真家として一時代を築いた。

 併せて、トシ・ワカバヤシさんがコレクションした「ブリキのおもちゃ」と世界を旅して撮影してきた風景写真とを、手製のジオラマと組み合わせて1つの作品に仕上げた「Tin Toy Dioramas Photography」シリーズの製作を続けていた。40年以上にわたって制作した膨大な作品群は全てフィルムを使用。多重露光で撮影する手法で製作された作品は、リアリティあふれ、幅広い世代にブリキのおもちゃの美しさ、楽しさ、懐かしさを与えてきたが、今年の2月に惜しまれて他界。貴重な作品は、箱根写真美術館の遠藤桂館長がトシ・ワカバヤシさんに従事していたことから遺贈された。

 箱根写真美術館の遠藤詠子副館長は「追悼と感謝を込めて、当館に遺贈された作品を新収コレクションとして大切に保管し、継続的に展示していく予定。世代間での会話が生まれるような、とても楽しい作品ばかりなので、幅広い年代の方にご覧いただきたいと思っている。今回の展示数は写真作品18点、ブリキのおもちゃの実物17点、生前のインタビュー映像などを展示する」と話す。

 開催時間は、10時~17時。会場は箱根写真美術館1階展示室。入館料は、大人=500円、小学生以下=300円、未就学児童=無料。11月29日まで。

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