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定期運行を終了した小田急ロマンスカー・VSE「白いロマンスカー」に熱い視線

入生田駅~風祭駅区間を走行する小田急ロマンスカー・VSE(50000形)。(撮影=穐田英則さん・2022年2月27日17時)

入生田駅~風祭駅区間を走行する小田急ロマンスカー・VSE(50000形)。(撮影=穐田英則さん・2022年2月27日17時)

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 惜しまれながら3月11日をもって定期運行を終了し2023年秋にラストランを予定している小田急ロマンスカー・VSE(50000形)にカメラを向ける人が多く見られるようになった。箱根湯本駅では夏休みの自由研究のために取材するロマンスカー好きの小学生の姿もあった。

「ロマンスカー写真展~VSEの17年に想いを込めて~」での会場でのスナップ

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 洗練されたフォルムとシルキーホワイトのボディで人気を博し、「白いロマンスカー」とも呼ばれるロマンスカーVSE。小田急ロマンスカーのフラグシップトレインとして存在感を発揮し多くのファンを楽しませてきた。

 「VSE」はVault Super Expressの略。Vault(ヴォールト)とは、ドーム型の天井や空間を意味で、室内は従来のロマンスカーより45センチ高くドーム型の天井を実現。風景を存分に楽しめる展望席を設置するほか、迫力のある眺望を楽しめる連続窓が採用されている。

 約17年にわたり2編成で運行。延べ600万キロを走行し、約2000万人の乗客が利用したが、車両の経年劣化や主要機器の更新が困難になる見込みであることから、3月12日のダイヤ変更にあわせ前日に定期運行を終了。その後は臨時ダイヤによるイベント列車などでの運行を継続し、2023年秋に引退を予定している。ラストランまでは、感謝の気持ちを込めたメッセージ「ありがとうVSE!~Special Thanks & Forever~」を記念装飾として車体へ掲出して走行している。

 その姿に魅了されながら定期運行終了後も「ロマンスカー・VSE」の走行する姿をウォッチする人は多い。穐田(あきた)英則さんもその一人。「仕事の関係で2003年に町田に住居を移しロマンスカーの写真を撮り続けていたところ、2005年に『ロマンスカーVSE』がデビュー。走る華麗さに感動。現在までレンズを向け続けている」とロマンスカーとの出会いを振りかえる。

 穐田さんは6月11日から鉄道写真愛好家15人と、今年の小田急ロマンスカーカレンダーの写真を撮影した武川健太さんを招待フォトグラファーとして迎えて「ロマンスカー写真展~VSEの17年に想いを込めて~」を開催した。「VSEからロマンスカーをデザインしている岡部憲明さんや、元小田急電鉄会長の大須賀頼彦さんも来場し盛況だった」と穐田さん。「ロマンスカー・VSEは沿線の方や鉄道ファンの心に残る名車」と強調する。

 穐田さんは「新宿を出発して小田原経由で箱根湯本に到着するロマンスカー・VSE。箱根で過ごす休日への期待感にあふれた乗客の笑顔と白い車体が一番よく似合う。小田原からは箱根登山鉄道の軌道をゆっくりと走る姿もたまらなく良い」と笑顔を見せる。

 ラストランまで穐田さんはロマンスカー・VSEを撮り続けるという。「それに値する車両。感謝のみ」と話す。

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