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箱根「金乃竹」と駒沢女子大が連携 採用選考直結型インターン制度始動

「採用選考直結型インターンシッププログラム」が行われる施設の一つ「金乃竹塔ノ澤」のスタッフや参加メンバー

「採用選考直結型インターンシッププログラム」が行われる施設の一つ「金乃竹塔ノ澤」のスタッフや参加メンバー

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 箱根で5つの旅館施設を経営する「金乃竹」(箱根町仙石原)が、駒沢女子大学(東京都稲城市)観光文化学類と連携して「採用選考直結型インターンシッププログラム」を構築し、12月1日、2025-26年卒の学生を対象に募集を始める。

「たくさんの学びがあった」

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 金乃竹と同大観光文化学類は3月1日に「インターンシップ協定」を締結し、課題解決型実習プログラムを共同で構築。大学における観光教育と観光産業での実務教育を接合する産学接続教育の試験的な運用を始めている。

 具体的には、第1フェーズで「金乃竹リゾートの経営課題への解決のための仮説」を設定。第2フェーズで「現場の実習を通じ課題解決策の作成」を発表。第3フェーズで「優れた解決策の導入」を検討。それらの作業を通して得られた成果を学生にフィードバックし関係構築と採用活動につなげていく流れ。

 推進する経営戦略本部の八幡正昭本部長は「今回導入した採用選考型インターンシッププログラムで、産学一体となり相互の知識や技術を取り入れ、観光業界の課題に実践教育レベルで取り組むことの意味は大きい。これからの観光業を担う若い世代にとって良い経験になり、業界の雇用に対する意識の変化に対応していきたい」と話す。

 八幡さんは「導入に先立ち、2月と8月の2回、私どもの施設で学生を受け入れた結果、大学での学術的な知見に基づいた教育を受けた学生は、実体験から率直な課題を見つけ出し、数多くの解決方法の方向性を明確にしており、大変有益だった」と総括する。

 参加した観光文化学類3年の大熊芽依さんは「自分で考え行動する力がとても重要であるということが改めて感じられた。旅館には記念日や誕生日など特別な気持ちで来ているお客さまも多いため、その瞬間や空間を大事にして想像以上のおもてなしができる人になりたいと改めて思った。今回の実習で旅館での具体的な業務や接客の所作だけではなく、変化のある日々の中でさまざまなお客さまと触れ合うことからたくさんの学びがあり、 学校生活では得ることのできない体験ができ収穫も多い」と振り返る。

 連携しプログラムの構築を担った同大の鮫島卓教授は「学生の将来の人生設計を主体的に行うことを目的に、各業界でインターンシップ実習を実施している。授業で学修した知識にとどまらず実践を通じて学ぶことは、私たちの教育理念である『行学一如』に基づくもの。企業側の早期選考の流れを受けて、インターンシップ実習は2年次から春休みや夏休みで参加できるようにし、多くの学生が参加できるように工夫している。そのためには大学での学術的な知見に基づいた教育と産業界における実務教育の双方の強みと弱みを補完する産学連携が不可欠。箱根で実践される取り組みは、観光教育を再構築する可能性を秘めている」と期待を寄せる。

 実施期間は2024年2月1日~2024年6月30日。募集期間は2023年12月1日~2024年5月31日。実施施設は金乃竹塔ノ澤、松坂屋本店。

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