神奈川県西部の西湘・湘南地域を中心に活動するバルーンパフォーマーのベンジャミンさんが、新たな年を迎える中で「バルーンアート」と地域に伝わる「昔話」とをジョイントした作品作りを始めた。
マルシェや朝市などのイベントで子どもたちにバルーンアートを披露しているベンジャミンさん。「昨年の12月、パフォーマンスの中に地域に伝わる『昔話』をすると、子どもたちが面白そうに聞き入っていたことから昔話をバルーンで表現するアイデアが生まれた」と経緯を話す。
箱根など街道沿いや峠の多い地域には伝説や民話などが多くある。ベンジャミンさんはその中からできるだけシンプルに明るい話を探して、「キツネ」の昔話にたどり着いた(三島市郷土資料館の資料)という。
ベンジャミンさんは「ある日のこと、裏山へ出かけたおばあさんは、けがをしてうずくまっている一匹のキツネをみつけました。けがの手当てをして、油揚げを与えたという。それから数日後、おばあさんがいつものように縄を編む仕事をしていると、縁の下で縄を編みやすく縄を引くキツネを発見。キツネは仕上げた縄がからみつかないように引っ張っていたのです。助けたキツネの恩返しの物語です」と、昔話をしながらキツネをバルーンアートで作り、子どもたちに披露。
ベンジャミンさんは「とても好評で、昔話の持つ力を感じることができた。テレビゲームだけでなくこうした物語にも興味を持って聞いてくれることに驚いた。今後のパフォーマンスで取り入れ続けていきたい」と意欲を見せる。