小田原の「神田農園」(小田原市寿町5)の「生キクラゲ」の出荷が7月中旬から、最盛期を迎えている。
食物繊維、ビタミンD、各種ミネラルなどを多く含むキクラゲ。多くは海外から輸入される乾燥キクラゲだが、神田農園では国産の生キクラゲを生産している。園主の神田智充さんは「家庭で生キクラゲを使うと本館的な中華料理に仕上がる」と話す。
45年間にわたりコチョウランの栽培と販売を行ってきた神田農園。コチョウランの苗をタイで育て輸入後に国内で栽培する体勢を完成させていたが、2021年にコロナ禍で苗を運ぶ役割を担っていたタイ航空が経営破綻。国内でのコチョウランのニーズも激減した。
神田さんは「コチョウランを育てるノウハウと施設を生かす方法を模索した中で、キクラゲ栽培にたどり着いた。温度管理など栽培環境に共通点があり、ノウハウが生かせた。善は急げということで2021年5月にはキクラゲの栽培をスタートした」と振り返る。
生キクラゲを中心に「白い生キクラゲ」などの出荷のピークは7月20日前後。生産量の調整など出荷作業に忙しい。「最近では、中華料理だけでなくイタリア料理、フランス料理でも注目されていると聞く。形は悪く敬遠しがちな方もいるが、ぜひキクラゲの魅力を知っていただきたい」と呼びかける。