小田原駅東口からわずか100メートルの場所にある、歩行者だけが通れる小さな商店街「おしゃれ横丁商店街」(小田原市栄町2)に、常連客やリピーターが多く訪れている。
小田原おしゃれ横丁商店会の杉山京介会長は「世代を超えて常連がおしゃれ横丁を支えている」と話す。レンガ通りと呼ばれていたころからおしゃれな商店街として知られ、ファッションの店も多く出店。神奈川県が1987(昭和62)年に選定した「神奈川まちなみ100選」にも選ばれている。
ハンガリーの首都ブダペスト市ツエ・ダウンタウン商工会と姉妹提携を結んだ歴史のある「おしゃれ横丁商店街」。昭和ロマンを感じさせる電話ボックス、郵便ポストなどが商店街のイメージを作り上げてきた。
2018(平成30)年5月19日、小田原城址公園「こども遊園地」にあった「メリーカップ」がおしゃれ横丁に移され除幕式が行われた。多くの子どもたちに笑顔を与えたメリーカップ。全体を支える鉄骨などが老朽化したため撤去された。その中で、安全な1つのカップがおしゃれ横丁商店街に設置された。子どものころに乗って楽しんだであろう人々が懐かしむよう見つめる光景もある。
一直線におしゃれ横丁を進む人もいる。商店街の突き当たりを右折。そこにあるのが「北条氏政・氏照の墓所」。四代当主の北条氏政と弟の氏照の墓所で、ここに「幸せの鈴」がある。商店街の店に置いてある鈴を受け取り、墓所で願い事をして鈴を持ち帰る。願いがかなったら奉納する。幸せを呼び込んだ鈴で墓所がいっぱいになることを商店街の人々は目指している。
おしゃれ横丁商店会は毎月第3土曜、「シャレイチ」を開催してにぎわいづくりを創出。若い人々や観光客も訪れるようになり定例開催に尽力してきた。杉山さんは「ロマンを感じさせるおしゃれ横丁。これからも小田原の人々が懐かしむイメージを大切にして、温かな商店街にしていきたい。繁栄も目指して」と意欲を見せる。