箱根の山を登り続けていた箱根登山鉄道の車両「モハ2形109号」が引退する3月21日が近づき、別れを惜しむ鉄道ファンなどが沿線で走る姿を見つめている。
まもなく見ることができなくなる109号-104号-106号の編成
箱根登山鉄道の入生田検車区(いりうだけんしゃく)で撮影された車内づり広告。引退するモハ2形109号を中央に、左にモハ2形108号、右にモハ1形106号が並ぶ。「109 LAST RUN」のキャッチフレーズとともに「たくさんの『ありがとう』をのせて・・・」のメッセージ。3月21日がラストランであり、別れの日が近いことも告げている。
ファンの間では、モハ109号の引退でこの3車両が連結して走る姿を見ることができなくなる日が近づいているため、「今が見納め」と沿線を訪れてレンズを向ける人も多い。地元のファンからは「箱根を登る姿に元気をもらえた。感謝したい」の声が聞こえる。
箱根登山鉄道を撮り続けている写真家の大橋史明さんは「車体の緑が森の緑に溶け込んで美しい。この色は昭和10年代のデザインを復刻したものだが、109号の周りだけまるでタイムスリップしたようで、歴史ある箱根の景観によく似合っている」と話す。
箱根登山鉄道では、モハ2形109号の引退を告げる方向版を3月21日まで掲出。「109号車内写真展示」を2月20日から開始しており、3月21日まで行う。