小田原市郊外の国府津(こうづ)地域の田んぼに今年もカルガモの親子が現れ、地域の人々を楽しませている。
国府津地域の田んぼでは、農薬化学肥料不使用で米を育てる生産者が多く、志村成則さんもその一人。今年は、「いのちの壱」「はるみ」「にこまる」のほか緑米や黒米などを3.4ヘクタールの田んぼで生産する。志村さんは「少々の米ぬかのみで米を育てている。ごく自然なうま味を感じる米ができる。何よりもこの方法で米作りをしてから評判が良く、購入者が増えているという。味の違いを分かる人が増えたのでは」と話す。
その農薬化学肥料不使用の田んぼに今年もカルガモ親子が現れた。「安全な田んぼであることをカルガモは知っている」と志村さん。今年は4ファミリーが田んぼを走り回っている。小カルガモを連れた母カルガモが互いのエリアを守りながら子育てをしている姿が「かわいい」「今年も来たのね。ようこそ」など、地域の人々が温かく見守っている。
志村さんは「水と農薬化学肥料不使用にこだわって育てた米が結果としておいしいとの評価を得られるようになった。自然のルールに従って米作りをして、いつまでもカルガモが来てくれる田んぼにしたい」と話す。