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南足柄「ユートピア農園」で秋なのにヒマワリ満開 12月まで見頃続く

南足柄市「ユートピア農園」のヒマワリ。秋なのに満開(撮影=小澤宏さん)

南足柄市「ユートピア農園」のヒマワリ。秋なのに満開(撮影=小澤宏さん)

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 南足柄市の「ユートピア農園」(神奈川県南足柄市塚原、TEL 0465-73-2730)で、秋にもかかわらずヒマワリが満開となり訪れる人々を喜ばせている。

「ユートピア農園」の古屋富雄さん

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 この光景に巡り会いシャッターを切ったのが、神奈川西部の風景などを撮り続けている小澤宏さん。「花はやや小さめだが、南向きにたくさんの花を咲かせている。前景にヒマワリ、中景に南足柄の街並み、そして背景に丹沢山系と素晴らしい景色だった」と振り返る。

 「ユートピア農園」を運営している古屋富雄さんは農業関係者や地域の人々から知られる存在。日本大学農獣医学部と神奈川県立農業大学校を卒業し、1977(昭和52)年に神奈川県農業改良普及員資格を取得。1978(昭和53)年にフィリピン国際稲作研究所などの視察研修した後、1982(昭和57)年に南足柄市役所入所。「あしがら花紀行」を立案し自ら実践した。その功績から2006(平成18)年「豊かなむらづくり全国表彰事業」、2008(平成20)年「全国花のまちづくりコンクール」で共に農林水産大臣賞、2010(平成22)年「緑化推進運動功労者内閣総理大臣賞」を受賞している。

 古屋さんの名前を不動のものにしたのが新種の桜「春めき」。ソメイヨシノより一足早く咲く桜を発見し「春めき」と命名して品種登録し育成者権(植物の新たな品種に対して与えられる知的財産権)を持ち広く普及させた。古屋さんは「4月に新入生を迎え祝福する桜は『ソメイヨシノ』。でもその前の3月に学校を卒業し祝福しながら送り出す桜が『春めき』。2つの桜が子どもたちのために咲き誇る」と話す。

 「春めき」は香りに力があり誰にでも好まれることから「花の香りがする桜『春めき』を全国の盲学校などへ進呈し、桜が見られない方々にも春が来たことを香りから感じ取ってもらっている」と古屋さん。香料会社と連携して大手生活用品メーカーから商品化もされている。

 桜に続きヒマワリの植栽方法も確立した。「通常は夏といわれているヒマワリ。時期をずらすことで春先にも秋にも立派な花を付けてくれる。季節外れと思うのは私たちだけ。秋に咲くヒマワリはなぜか心に染みるように美しく咲く」と話す。

 「ヒマワリを見ていると元気づけられる」「(亡くなった大切な人が)好きだった花なので」と古屋さんの「ユートピア農園」に買い求めに来る人も多いという。「この時期のヒマワリ。8本500円でお分けしている。桜が祝福なら、ヒマワリは元気や勇気を与え、思い出に寄り添ってくれる花」と話す。

 撮影した小澤さんは「(古屋さんは)いろいろと活躍している方だが、誰にでも優しくヒマワリや桜の話を気さくに話してくれる。花が撮影したいときには今後も訪れてみたい」と話す。時期をずらして栽培しているため12月までヒマワリが楽しめる。

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