箱根小涌園「天悠」(箱根町二ノ平、TEL 0460-85-0153)が、地元・小田原の「マツシタ靴店」(小田原市栄町)が取り扱う漁師用サンダル「ギョサン」を館内の履物として全室に設置した。
敷地内1階の「渓谷庭園」で夜のライトアップを実施している「天悠」。げたを館内履物として利用してきたが、庭園内の階段や雨にぬれた夜道は歩きづらいという声があり、履きやすく滑らない特性がある「ギョサン」の採用に踏み切った。
藤田観光リゾート事業部の松木清美さんは「館内での転倒事故防止や、歩きにくさの改善のために館内履物を探している中で、ギョサンに巡り合った。その発祥の地は小笠原諸島。合成樹脂製で、サンダルの裏は滑りにくいデザインが施されており、磯・岩場でも安全に作業ができるという。館内履物として取り入れることにより、庭園のライトアップもより安全に楽しんでいただけるようになった」と導入の経緯を振り返る。
マツシタ靴店は1918(大正7)年創業。藤田観光発祥の地であり、現在はそば「貴賓館」として営業している建物も同じ1918年に建てられている。松木さんによれば、「長い歴史を紡ぐ企業として共通点があったことも大きい要素。併せて、小涌園が推進している地元企業の商品活用を促進するSDGsでの貢献も視野に入れてギョサンの導入を決定した」という。
マツシタ靴店の松下善彦社長は「ギョサンの特性を理解し採用していただいたことは光栄。リゾートライフをより安全に過ごしていただくことに貢献できれば」と話す。