小田原の「ひもの屋半兵衛」(小田原市早川、TEL 0465-42-9755)は、対象商品の送料が無料になる「国産農林水産物等販売促進緊急対策」を活用し、四代目の椙崎晃久さんが自ら選んだ干物セット「てるちゃんセット」と妻のかなさんが女性の目で魚をチョイスした「かなちゃんセット」を販売している。
送料が無料になることもあり販売は順調に推移。四代目・椙崎晃久さんの「てるちゃんセット」(2,000円)は、「魚のおいしさ干物で味わう」をテーマにして魚を選定。それに対して妻の「かなちゃんセット」(1,000円)は、「小田原らしさ」を大切にして魚を選んだ。地元では「夫婦対決」として話題になっていた。
11月半ばに販売量の集計が行われ、圧倒的な差で妻のかなさんがチョイスした「かなちゃんセット」が大差で勝利した。「1対9」「いやそれ以上の大差」という。
椙崎晃久さんも「完敗」と敗北を認め「やはり妻は強かった」とどこかうれしそう。「大正末期に、大半商店の創業者・椙崎半兵衛が、アジ・カマスなどの干物やかす漬けの製造を手掛けて事業を軌道に乗せることができたのは、妻のトメさんがいたから。魚の腹部に残っている内臓や骨に添った血線などを、丁寧に手を抜かずに取り除くことにこだわってきたトメさん。この作業が味を左右し、その後に塩汁(しょっつる)に漬けた際の味作りに大きく影響した。大半商店の『手開き加工』は、二代目、三代目と100年間受け継がれてきた。妻のかなは、懸命に働き続ける三代目の妻・母の姿を見て育ってきた。働き者で商売の感覚は私より数段上。今回の結果は当然のこと」と話す。
妻のかなさんは「夫の『てるちゃんセット』も、味の良い魚を選んでいる。晩酌には最適でお父さん向け商品」と評価している。
11月22日。小田原では、小田原青年会議所、小田原法人会青年部会、小田原市商店街連合会青年部の若手経済3団体が主催・共催して小田原市御幸の浜で「復活 御幸の浜花火大会」が開催された。閉塞感の否めない社会情勢を払拭し、コロナ禍に負けないまちづくりを行うことを願って打ち上げられた花火に多くの市民が勇気づけられた。
椙崎晃久さんとかなさんは、子どもたちを連れてこの花火を楽しんだ。「元気が出る。御幸の花火また見たい。またここで見られるようにがんばる。これからも喜ばれる魚選びをしていきたい」と意欲を見せた。