マグロの目利きで知られる卸問屋「かしわ水産」(小田原市早川1、TEL 0465-20-3307)が11月、新しい冷凍手法を利用してマグロの鮮度を生かして商品化したギフトセット「匠の鮪(まぐろ)」の販売を始めた。
代表で2代目の柏木雄介さんは「商品化に当たり、いくつかの課題があった。マグロの鮮度を生かした冷凍手法や、マグロをさくの状態で冷凍するのではなく、刺し身としてすぐに味わえるように切って提供する手法などを解決するのに1年を費やした」と話す。
柏木さんは完成後も、テストやモニター販売を繰り返した。「そのため、発売はいつなのかと問われても判断に悩んでいたが、今は自分でも納得しお薦めできる品になった」と自信を見せる。
かしわ水産とマグロとのつながりは柏木さんの父・柏木繁輝さんの時代に始まる。かしわ水産は1961(昭和36)年、繁輝さんが20年修業した鮮魚仲買商からカジキマグロ部門を譲り受ける形で独立して創業した。
その経緯からマグロを得意とする問屋となり、マグロや遠海ものは三崎・焼津・清水・豊洲から、近海ものは小田原漁港から仕入れている。
2代目の雄介さんも「マグロ一筋。いや筋は避けたいのでマグロ一本」と言いつつも、需要家の要請に応えて魚全般も扱うが、「マグロをさばくときが一番自分らしい」と笑顔を見せる。
ギフト「匠の鮪」は、「厳選6種セット」(1万円)と、6種セットに貴重な部位3種を入れた「9種セット」(1万3,000円)の2種類を用意。いずれもマグロの種類や部位名を案内する名札が付く。「家庭で包丁を使うことなく本格的な雰囲気で味わってもらえるように」と盛り合わせの際の笹の葉も用意する。
柏木さんは「ぜひ家庭でマグロの刺し身盛り合わせを味わってもらえれば」と利用を呼び掛ける。