小田原市郊外の曽比(そび)地区のあぜ道で1月中旬から、春の七草の一つ「セリ」を摘む姿が見られるようになった。
田んぼのあぜ道などに自生する「山ぜり」、水田で栽培されている「田ぜり」、畑で栽培される「畑ぜり」などと呼ばれているセリ。日本原産で、独特の香りと歯触りに特徴があり、「セリのおひたし」「セリ鍋」「からしあえ」など幅広く調理されている。
小田原市郊外では無農薬の田んぼも増え、安心してできることから2月から4月にかけて「セリ摘み」を楽しめる。小田原在住の志村尊子さんは、友人の佐藤香さんを誘ってセリ摘みに。「天然のセリは、まだ採取の時期がやや早いので、寒さに耐えながら自生していた。今日は酢の物にしてみようと思っている」とセリを使った献立を考える。
田んぼだけでなく地域全体を見ると、植物や生き物が多く確認できるようになった。季節によって、イチジク、桑の実(マルベリー)、つくし、マコモダケ。生き物ではカエルなども確認できる。
志村さんと佐藤さんは「セリ摘みをしながら田んぼの自然も楽しめた。セリかどうかを確認しながら摘んだ。あぜを流れる水も冷たかったが、とてもきれいだった」と話していた。