JR東日本が3月13日に行う「春のダイヤ改正」で定期運用が終了する185系の走行音を聞くことができなくなり、鉄道ファンや利用者から惜しむ声が上がっている。
「185系特急踊り子 轟くMT54D形電動機 小田原~東京」
日本国有鉄道(国鉄)が1981(昭和56)年に運用を始めた特急形直流電車の185系車両。国鉄が最後に製造した車両で、特急形電車でありながら普通や通勤快速など幅広く利用されてきた。東海道本線では、特急「踊り子」のほか、「湘南ライナー」などで利用されたため、小田原ではなじみのある人も多い。
そこで動いたのが、鉄道関係のコンテンツを提供する制作会社「ビコム」(福岡県久留米市)。「MT54D形直流電動機」の音を響かせて走行する185系の音をCDにして2月21日に発売。ビコムにとって初のCDとなる。音源は、2018(平成30)年8月に発売した映像作品「185系特急踊り子108号」の前面展望撮影時にCD音質以上の高音質で録音した音声を使用してCD化する。「MT54D形直流電動機」の昔ながらのモーター音と車内放送音、さらに車外の走行音も収録されている。
ビコムの西山義朗さんは「今の車両は静音性が重要な要素となるが、185系車両は懸命に走る音を響かせている。モーター音の力強さが感じられて多くの人が勇気付けられている。去りゆく185号のサウンドを楽しんでいただければ」と呼び掛ける。
収録は小田原駅~東京駅区間。録音日は2018年5月29日。185系 A7編成10両 3028M 特急「踊り子」108号。収録時間は65分48秒。トラック1=小田原駅→大船駅、2=大船駅→横浜駅、3=横浜駅→川崎駅、4=川崎駅→品川駅、5=品川駅→東京駅、6=185系走行音(車外)。価格は1,980円。JR東日本商品化許諾済作品。