小田原の「ナチュラル菓子工房citron(シトロン)」(小田原市小八幡)のオーナーパティシエ・大和田芳実さんは、白加賀梅、南高梅と幻の杉田梅を使用してコンフィチュール(ジャム)を開発した。
小田原の「曽我梅林」は、別所、原、中河原の3つの地域で構成され、約3万5000本の梅があり関東屈指の梅の名所となっている。大和田さんは「『一番よい時期の高級で新鮮な内にコンフィチュールにするなんて』と言われるが、良いものにしかない香りを味わってもらいたくて商品化した」と話す。
選んだのは、江戸時代から栽培され果肉は緻密で肉厚ながら繊維が少ない「白加賀梅」。高級品として知られ、種が小さく皮が薄くて果肉が柔らかい「南高梅」。幻の梅と呼ばれ神奈川県横浜市磯子地域が発祥といわれている「杉田梅」の3種類。いずれも小田原の生産者の自信作で、農薬7割減栽培で大切に育てられ、収穫も最高品質を保つため早朝に手摘みで行われている。
食べやすいジャムにするため、白加賀梅には青森産のリンゴ、南高梅には長野産の桃を合わせ、杉田梅は純粋なままコンフィチュールに仕上げた。完成したのは6月21日。翌日から試食も行いながら販売を開始。「『おいしい』の声を聞いたときにはうれしかった」と大和田さん。7月に入り贈答用としても利用されているという。
商品名は「小田原梅コンフィチュール3種セット」(1,540円)で、「白加賀×りんご」「南高×桃」「幻の杉田梅」がセットされている。
営業時間は10時~16時30分。火曜定休。